「あぐー豚とは?」にプロが応える!幻と言われる美味しさと歴史を徹底解説!
このブログは沖縄の食に携わって40年以上、食品メーカー「山香」が運営する通販サイト「山内商店」が作成しています。
沖縄には、独自の文化と国内唯一の亜熱帯気候がもたらす沖縄ならではの食材や郷土料理がが数多く存在しますが、その中でも特に県内外から高い評価を得ているのが、沖縄固有の貴重なブランド豚「あぐー豚」です。
近年ではテレビでも取り上げられることが多くなり、あぐー豚の知名度は上がっていますが、そもそも「あぐー豚って普通の豚と何が違うの?」「なぜ幻の豚と呼ばれているの?」そんな疑問をお持ちの方もいらっしゃるのではないでしょうか。
この記事では、あぐー豚の基本情報から、美味しさの秘密、歴史的背景、そしてなぜ高価でありながらも多くの人に求められているのかを長年沖縄の食に携わってきたプロの視点から徹底的に解説いたします。
この記事を読み終える頃には、あなたもきっとあぐー豚を一度は味わってみたいと感じるはずです。
目次
- あぐー豚とは?基本の「き」を学ぶ
- あぐー豚の定義とは?
- 「あぐー豚」と「アグー豚」の違いは?名称の謎を解明
- あぐー豚の歴史:なぜ「幻の豚」と呼ばれるのか
- 琉球王朝時代から続く食文化の宝
- 絶滅の危機を乗り越えて
- 希少性が生む「幻」の称号
- あぐー豚の美味しさの秘密:肉質と味わいを徹底分析
- とろける脂身の秘密:低い融点と豊富なコラーゲン
- 凝縮された旨味:豊富なアミノ酸
- 臭みが少なく、アクが出にくい上品な味わい
- 一般の豚肉との違いは?
- あぐー豚はなぜ高い?その価値を理解する
- 生産効率よりも品質を重視した飼育方法
- 長い飼育期間と特別な飼料
- 徹底された品質管理とブランド戦略
- あぐー豚の主な産地と品質を守る取り組み
- 沖縄の豊かな自然が育む
- JAおきなわの「沖縄県産アグー豚」認定制度
- 美味しいあぐー豚の選び方とおすすめの食べ方
- 信頼できるお店や通販サイトでの購入
- 素材の味を活かすシンプルな調理法がおすすめ
- しゃぶしゃぶ、ステーキ、シンプルな塩焼きなど
- まとめ:沖縄の誇り「あぐー豚」を未来へ
- 沖縄の味を食卓へ:山内商店のご紹介
1. あぐー豚とは?基本の「き」を学ぶ
まずは、あぐー豚がどのような豚なのか、基本的な情報から見ていきましょう。
あぐー豚の定義とは?
一般的に「あぐー豚」と呼ばれる豚肉は、沖縄の在来豚である「アグー」の血を引く豚のことを指します。より正確には、琉球在来豚アグー(黒豚)の雄とLW(ランドレースと大ヨークシャーの交配種)の雌を交配させた豚のうち、アグーの血統を50%以上有するものを「あぐー豚」と定義している場合が多いです。
この交配により、アグー本来の優れた肉質や風味を保ちつつ、西洋豚の持つ発育の良さや産肉性をバランス良く取り入れています。
「あぐー豚」と「アグー豚」の違いとは?名称の謎を解明
「あぐー豚」と「アグー豚」、ひらがな表記とカタカナ表記、どちらも目にすることがあるかと思います。この違いについて疑問に思われる方も少なくないでしょう。2つの表記の違いは下記の通りです。
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- あぐー ⇒ JAおきなわ銘柄豚推進協議会が設定した品質基準を満たした農場で育てられた豚肉
- アグー ⇒ 琉球在来種豚原種
参照元: JAおきなわ銘柄豚推進協議会
2. あぐー豚の歴史とは:なぜ「幻の豚」と呼ばれるのか
あぐー豚が「幻の豚」と称されるのには、その希少性と歴史的背景が深く関わっています。
琉球王朝時代から続く食文化
アグーの起源は古く、約600年前の琉球王朝時代に中国から導入されたと言われています。当時の琉球王朝には「牛、馬の肉は食べてはいけない」というお触れがあったため豚肉が重宝されていました。そのため沖縄でアグー豚は当たり前のように飼育され、食生活の中心をなし親しまれていました。
食糧難による絶滅の危機
しかし、第二次世界大戦の戦禍や、戦後の食糧難によりアグー豚を含む豚全体の数が激減しました。そんな時、食糧難に苦しむ故郷の状況をしったハワイの沖縄県人会から白豚が送られてきたのです。
白豚はあぐー豚に比べて赤身が多い・出産数が多い・発育が早い・成長後の個体が大きい等の面でアグー豚より優れていたため、養豚農家は喜び白豚を飼育し始めたのです。その結果、沖縄の食糧事情も豊かになっていきました。
しかし、それと引き換えにアグー豚は沖縄から姿を消していったのです。
1980年頃に名護市博物館がアグー豚の減少に危機感を募らせ、調査を実施した結果、残っていたあぐー豚はたったの30頭程でした。絶滅危惧種となってしまったアグー豚の内、18頭を名護市博物館に集め、沖縄県北部農林高等学校(名護市)や沖縄県畜産試験場との連携協力や古老の記憶を確認しながら、10年以上の年月をかけて戻し交配法(雑種化を取り除くための交配)を用いて選抜を進め、1995年、8代目に至ってようやく純血に近いあぐー豚が復元されました。
その後、北部農林高等学校からの民間への配布等の努力もあって徐々にその数を増やし、ようやく一般の方に提供できるようになりました。
希少性が生む「幻」の称号
こうした歴史的背景から、アグー及びその血統を引くあぐー豚は、一般的な豚に比べて生産頭数が依然として少ないのが現状です。また、その優れた肉質を維持するためには、特別な飼育管理が求められることも、大量生産が難しい要因の一つとなっています。
令和5年のデータによると、日本国内で流通する豚肉(輸入豚含む)の内、アグーブランド豚して生産農場から出荷されたあぐー豚の割合は、わずか0.4%でした。
これだけ数が少ないあぐー豚ですが、多くが沖縄県内で消費されるので、県外に出荷されるのはさらに少量。この希少性こそが、あぐー豚が「幻の豚」と呼ばれる最大の理由なのです。
3. あぐー豚の美味しさの秘密:肉質と味わいを徹底分析
あぐー豚の最大の魅力は、何と言ってもその卓越した美味しさにあります。なぜこれほどまでに人々を虜にするのか、その秘密を肉質と味わいの両面から見ていきましょう。
融点が低く、とろける脂身
あぐー豚の脂身は、一般的な豚肉の脂身と比較して融点が低いという大きな特徴があります。これは、脂が人間の体温に近い温度で溶け出すことを意味し、口に入れた瞬間にさらりとした脂がとろけ、甘みと旨味が広がります。しつこさがなく、後味もすっきりしているため、脂身が苦手な方にも美味しく召し上がっていただけます。
実際にお客様からも
- 75歳を超えた両親も「美味しい!」と何度もおかわりした。
- 普段は脂身が苦手だけど、あぐー豚のバラ肉は美味しかった。
などのお声もいただいています。
グルタミン酸が豊富で凝縮された旨味
あぐー豚には、旨味成分であるグルタミン酸が一般の豚肉比べて豊富に含まれ、噛みしめるほどに肉本来の深いコクと旨味が口の中に広がります。しっかりとした肉の味わいがありながらも、決してくどくない上品な後味です。
臭みが少なく、アクが出にくい上品な味わい
丁寧に育てられたあぐー豚は、豚特有の臭みが少なく、調理の際に出るアクも少ないと言われています。これは、肉質が良い証であり、素材本来の風味を存分に楽しむことができる理由の一つです。このため、シンプルな調理法でもその美味しさを十分に引き出すことができます。
きめ細やかで柔らかくジューシーな肉質
あぐー豚の肉質はきめ細かく柔らかいので、お子様からご年配の方まで幅広い年齢層で楽しめます。さらに保水性が高いので肉汁が逃げにくく、しっとりジューシーなのも柔らかさの秘密です。
低コレステロール
これだけ美味しさの秘密が多いあぐー豚ですが、コレステロール値が低くヘルシーという特徴もあり、ダイエット中の方などにも喜ばれています。
あぐー豚の美味しさまとめ
- 脂の質: 融点が低く、甘みがあり、とろけるような食感。
- 旨味: グルタミン酸が豊富で、赤身の味が濃い。
- 臭み: 豚特有の臭みが少なく、上品な風味。
- 肉の柔らかさ: 筋繊維が細かく、柔らかくジューシーな肉質。
- 低コレステロール:ヘルシーでダイエット中の方にもおすすめ
これらの特徴が組み合わさることで、あぐー豚ならではの唯一無二の美味しさが生まれるのです。
4. あぐー豚はなぜ高い?
あぐー豚は一般の豚肉に比べて優れた肉質をもっていますが、農家にとっては以下のような厳しい特徴もあります。
- 美味しく育てる為に各農家が独自のエサを配合するなどして高いエサ代が必要
- 出荷できるようになるまでの肥育日数が長い
- 成長しても個体が小さい
- 1度の出産で生まれる数が少ない
このようなことからあぐー豚は一般の豚に比べて出荷できるようになるまでコストがかかり、出荷できるようになってもサイズが小さいので販売価格もどうしても高くなります。
しかし、単に「高い」のではなく、その価格には美味しさ、安全性、そして希少性を守るための生産者の情熱と努力が込められているのです。
5. あぐー豚の主な産地と品質を守る取り組み
あぐー豚はJAおきなわ銘柄推進協議会の定めにより、沖縄県内でしか生産されません。沖縄の温暖な気候と豊かな自然環境は、あぐー豚の飼育に適していると言えるでしょう。
JAおきなわの「沖縄県産アグー豚」認定制度
あぐー豚の品質とブランドイメージを維持・向上させるため、JAおきなわでは「沖縄県産アグー豚推進協議会」を設立し、厳格な基準に基づいた認定制度を設けています。この制度では、以下のような点をチェックされます。
- 体型とDNA鑑定で本物のアグー判定
- 農場の環境、汚水処理、豚舎の衛生管理体制はどうか
- エサの栄養価が一定の基準をクリアしているか
- 豚舎へ出入りする人間を管理し、感染症対策ができているか
- 農場へ出入りする車両のタイヤや靴底の徹底洗浄で感染症対策はできているか
美味しくて安心、安全なあぐー豚を安定出荷する為に推進協議会によるこのチェックは毎年行われます。このような取り組みにより、消費者は安心して高品質なあぐー豚を選ぶことができるようになっています。
6.あぐー豚を美味しく食べるには
- しゃぶしゃぶ:圧倒的に大人気の食べ方で、県内にも多くの専門店があります。シンプルな調理法なので、あぐー豚の旨味や甘味をダイレクトに感じやすいです。あぐー豚を食べるのが初めてという方には特にしゃぶしゃぶをお勧めしています。
ご自宅であぐー豚しゃぶをされる方は出汁の取り方を紹介したブログがあります。ぜひご覧ください→出汁の取り方を見る - ステーキ・ソテー: 厚切りにしたロースやバラ肉を、塩胡椒だけでシンプルに焼き上げるのもおすすめです。表面はカリッと、中はジューシーに仕上げることで、あぐー豚本来の力強い味わいを楽しめます。脂身から出る旨味も絶品です。
- 焼肉: さっぱりとしたレモンタレやシークヮーサーぽん酢とも相性がよく、あぐー豚の美味しさを存分に味わえます。
その他にも餃子、ハンバーグ、豚丼、軟骨ソーキ、角煮などの調理に使用する豚肉をあぐー豚に変えるのも贅沢を楽しめるのでぜひお試しください。
沖縄県外であぐー豚を味わうには
国内の豚肉流通量のわずか0.4%しかない希少なあぐー豚ですが、そのほとんどが沖縄県内で消費されいます。その需要はすさまじく、観光と沖縄行事が重なってあぐー豚の需要がピークになる時は、私たち県内の食品メーカーでも入手できなくなるほどです。
最近では県外の沖縄料理専門店などであぐー豚が提供されいますが、多くの方にとっては通販で購入するのが最も手軽な方法ではないでしょうか。
8. 沖縄の味を食卓へ:山内商店のご紹介
私たち「山内商店」は、沖縄の食に長年携わってきた食品メーカー「山香」が運営する通販サイトです。沖縄には全国の皆さんに食べて欲しい食品が沢山あり、それらこだわりの食品を全国の皆様に送料無料でお届けしております。
もちろん、今回ご紹介した「あぐー豚」についても、しゃぶしゃぶ・ステーキ・焼肉の他にも餃子や豚丼もご用意しております。
あぐー豚以外にも、パイナップル、マンゴー、黒糖蜜、島らっきょうなど、沖縄ならではの美味しいものを多数取り揃えております。沖縄の食文化の魅力を、ぜひ山内商店で発見してください。
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