『知ればもっと美味しくなる』⇒マンゴー
知ればもっと美味しくなるシリーズは、「なぜ美味しいのか・なぜ貴重なのかを知ればきっと今より美味しく感じて貰える」をコンセプトに食材の歴史や豆知識など紹介していく企画です。このシリーズで紹介した話が皆さんの楽しい食事のお手伝になれば嬉しく思います。
第4回目の話は「マンゴー」です。
マンゴーは沖縄を代表する亜熱帯果で実濃厚な甘さと程よい酸味が特徴です。生産量全国1位の沖縄でも多くの農家さんがマンゴーを生産しており、沖縄県内はもちろん全国の皆さんに美味しいマンゴーをお届けしています。
ところで皆さんはマンゴーを購入された経験はありますか。購入経験のある方、特に贈答用を購入された方は「マンゴー高ッ!!」と感じた方も多いのではないでしょうか。
販売している側が言うのは賛否ありそうですが・・・そうです。マンゴーって高いんです!
しかし、その価格には理由があります。
私たちが口にするマンゴーは農家さんの手間暇を惜しまない努力の結果だからです。今回はマンゴーが収穫されるまでの農家さんの努力をほんの一部ですが、ご紹介します。
こちらのブログを読んでいただければきっと価格の理由に納得していただけると思います。
まず初めに皆さんはマンゴーの花を見た事ありますか?そもそも「マンゴーって花あるの?」という方も多いと思いますが、下の画像がアップにしたマンゴーの花です。
ミツバチが頑張って受粉してくれています。そしてハウスの中はこんな感じ。
じゃーん!
実はマンゴーは1つの枝に数十個の沢山の実がなります。枝の一部をアップにしてみました。矢印がパッと見て確認できる実です。
1つの枝のこれだけの実がつくなら沢山収穫できて良い事のように感じますが、実はその逆なんです。
マンゴーはこのまま全ての実を育てると栄養が行きわたらず、味も大きさも良い物ができません。そこで大切になってくるのが「摘果(てっか)」です。
摘果とは大きくて味の良いマンゴーを育てる為に質の悪いマンゴーを切り落とす作業です。この摘果をやることによって厳選した物だけを育てる事ができます。
当店の契約農家さんの場合、1つの枝に1玉か2玉しか残しません。
数十個の実から質の良いマンゴーに育つ実を見極め、1玉か2玉しか残さないのですから、まさに「厳選」という言葉がピッタリですね。
この摘果を適切に行って、高品質なマンゴーを見極めるには農家さんの経験を元にした見極めがかかせません。何十年も真面目にマンゴーと向き合って来たから可能になった確かな業です。
こうして農家さんの見極めで選ばれたマンゴーが育てられていくのですが、これで簡単に収穫となる訳ではありません。
マンゴーは育ってくると自重で枝が折れてしまうことがあるので、1本1本の枝を紐で釣り上げ作業を行います。
さらに、皆さんもご存じの通り南国沖縄はとても日差しが強いです。それは亜熱帯果実のマンゴーにとっても同じで、日差しに当たり過ぎると変色してしまう為、画像のよに1玉1玉に傘を被せていきます。
「傘ってこれだけ?」と思った皆さん!僕も初めは思いました。しかし日差しを浴びないのも良くなくて、浴びすぎるのも良くない。その両方を兼ね備えた傘がこの形、このサイズなんだそうです。
さあ、ここまで来れば収穫までもう一息。次はマンゴーへの袋掛けです。「袋?何で?」と思いますよね。実はマンゴーは完熟すると自然落下します。その完熟した実を受け止める為に袋掛けが必要なのです。
もちろんこれも1玉1玉です。
こちらは契約農家の1人、金城(きんじょう)さんです。
袋掛け後の畑がこんな感じ。
じゃーん!
こうして農家さんの確かな経験と地道な努力によって美味しいマンゴーが育てられ、収穫となります。もちろん1玉1玉丁寧に収穫します。マンゴーは果肉が柔らかく、傷つきやすいですからね。ここまで読まれて勘の良い方はお気づきかと思いますが、これらの作業全て手作業で行われいます。
今回はマンゴーを育てる工程をザっとご紹介しましたが、これ以外にも土壌の改良・受粉の為のハチの飼育・ハウスの修繕・台風対策等やることが多すぎて本当に農家さんには頭が上りません。
当店のマンゴーはご紹介したように、農家さんが丁寧に愛情込めて育てた物の中からさらに厳選した物だけをお送りしています。マンゴー切り方を書いたしおりも同梱しておりますので、初めての購入の方にもお勧めですし、大切な方への贈り物として喜んでいただけると思います。